僕は会社を不当解雇され、労働審判を起こすことになりました。
会社と争ってるとき、特に上司に辞めるよう迫られたときに役に立ったボイスレコーダーについて紹介します。
労働審判について詳しい内容を知りたい方はまとめた記事を見てくださいね。
勇気を与えてくれる最強のお守り
社長から解雇通告されるより1週間前に部長から「自主退職しない?」と退職勧告がありました。
会社側は自己都合退職扱いにしないと、トライアル雇用の助成金を返還したり不利益が出てきますからね。
もちろん全力でお断りしました。
この時点で労働審判を起こすという考えになっていたので「会社とのやりとり録音したほうがいいな」と、このボイスレコーダーを用意しました。
ポケットに忍ばせて出社すると、直後に社長に呼び出され、解雇に同意するという書類にサインするよう強要されました。
この時「お前は頭がおかしいやつ!」「どうせ仕事さぼってたんでしょ!?」 とか色々怒鳴り散らされました。
社長に威圧されて少しだけビビってましたが、それ以上に「恫喝されて解雇を強要されてる証拠が撮れてるぞ」という余裕がありました。
会社と闘うことになったときに一番重要なのは「解雇・退職に同意した」という書類を作らないことなのです。
社長に威圧されて解雇に同意するよう書類を書かされた…となったら解雇に納得してるという証拠が残るので即アウトです。
大声で怒鳴り散らされようが脅されようが、物怖じすることがほぼなくなります。
むしろ怒鳴られて爽快感すら覚えます。
ボイスレコーダーは僕にとって証拠を集めるという目的よりも、精神的にかなりの余裕を持つことができる最強のお守りでした。
ボイスレコーダーは労働審判では使わない?
労働問題に限らず、イザというときの証拠としては定番となりつつあるボイスレコーダー。
実のところ労働審判ではあまり使いません。
というのも、音声だけでは証拠として提出できないので、内容すべてを文章にして提出する必要があります(抜粋など一部だけでは無効となる)。
文字起こしは基本的に業者に任せる形になります。
大手業者だと、文字起こしの価格は録音時間1時間あたり36,000円にもなるようです。
僕は暇つぶしも兼ねて、部長から会議室に呼び出された内容の文字起こしを自力でやりました。
「えー」「あー」などの無意味なワードや、言い直しなども含めた完全な形(いわゆるケバ取りなし)で文字に起こしましたが、かなり骨が折れます。
何度も同じところを聞き直したり、会議室の近くで掃除機がかかる音も含まれて聞き取れなかったりするので高いと思っていた業者の価格も納得です。
…結局、弁護士さんに状況を説明するときに参照したっきりで、労働審判には提出されず、日の目をみることはありませんでした。
ちなみにAmazon Transcribeという録音データをAIが文字に起こしてくれるサービスがありますが、2019年12月現在、制度はイマイチです。
別件で使ってみましたが、ほとんど正確に文字に起こせておらず、まだまだ実用にはほど遠い感じがしました。
ICレコーダーでの録音をオススメする3つの理由
録音自体はスマホでも可能ですが、録音はスマホではなくICレコーダーを使う事を強くオススメします。
その理由の1つ目は、非常にコンパクトで内ポケットに余裕で収まること。
電池と比較してもサイズこのぐらいです。

僕はスーツの内ポケットに入れていました。ワイシャツの胸ポケット、ズボンのポケット、ペンケースにも仕込めます。
2つ目は電池持ちが非常に良いこと。
録音に機能が絞られているので、別のアプリなどで電池を使ってしまって録音ができないということを防ぐことができます。
僕のもってるやつもそうですが、100時間以上の録音ができるものもあるぐらい。
僕の場合は出社から退社までのすべての内容を録音するようになりましたが、途中で電池切れになることなくすべての会話を録音できました。
3つめは録音性能。
本当に細かい音まで高音質で拾います。

僕は図でいうところの「会議室」で解雇に同意するよう脅されてました。
会議室はスチールの壁で仕切られていますが、作業スペースでキーボードをカタカタ入力する音も拾うことができました。
遠くの音まで録音できるぐらいなので、当然ながら至近距離の声などもハッキリ録音できます。
ボイスレコーダー、買うならどれがいい?
僕が使っているオリンパスのV-822は名機だったらしく、生産終了品にもかかわらず結構いい値段がついてました。
なので、今買うならこれの後継機が良いかと思われます。
日頃からスーツを着てない場合はペンケースに仕込みましょう。
その場合はこういった細いペン型のやつがオススメです。
労働審判が終わった後、個人事業主になったのですが、お客さんとの会話などを録音するときにちょくちょく使っています。
とくにブログを書くようになってからは、ネタ探しのために積極的に録音するようになりました。
圧倒的音質と、細かい音も拾う圧倒的集音力のおかげで、聞き直すときに情景含めてハッキリ思い出せます。