「WALKMAN NW-A55」を買って2ヶ月ぐらい使ったのでレビューしました。
遡ること6月18日、記事をアップする2ヶ月ほど前…献血に行った帰りに新しいウォークマン買ったんすよ。
買っちった pic.twitter.com/mgHfQaUsaX
— なー (@Na_sun) June 18, 2019
ハイレゾ対応で、音質がかなり良いらしいというのが購入の決め手。
つーても本当なら僕自身あんまり音質にこだわりはなく、スマホで聞く音楽でも満足なんですよ。
しかし、かつて存在した老舗名曲喫茶「ウィーン」で聞いた爆音高音質のクラシック音楽に衝撃を受け
高音質でクラシックやジャズ聞きながらコーヒー飲むとか…優雅じゃない?
と思うようになって買いました。歌詞とかないから作業に集中できるしね。
ちなみに目標とするウィーンってこんな感じのお店でした。入った瞬間、昭和にタイムスリップした感がすごかったよ…
でもこの環境をしようと、ウィーンと同じマッキントッシュのスピーカーとアンプなんて揃えたら1,000万円は間違いなくかかります。
現行のモデルでもこのお値段ですぜ!?
買ったところで防音とかしてない環境で音楽聴こうものなら近所から苦情が来ること間違いなし。
なんで気軽に手を出せる価格で、かつヘッドホンで高音質で音楽を楽しめるこいつを買うことにしました。
「NW-A50」といって、同じモデルでもワイヤレスイヤホンが付属してたり、メモリ容量が32GB、64GBのものがあったりします。
でもSDカード対応でいくらでも拡張できるから一番低容量のやつ買いました。
ちなみにウォークマンは初めてではなく「WM-F57」というカセットテープ時代のふるーいヤツを使ってました。
発売日は1986年と僕が生まれるよりずっと前で、30年以上前のオーパーツと呼ぶべきシロモノです。
未だ正常に動作し、2018年の北海道地震で停電になったときにラジオを聴くときにも使いました。カセットはすごい勢いで電池なくなるから使ったことないけど
実際に使ってわかった良い点
大きさは手のひらサイズで携帯性に優れます。旧ウォークマンや身近なものと比較するとこんな感じ。
ちなみに上位モデルだとこのカセットテープ時代のウォークマン並の大きさのものがあったりします。携帯性ってなんだろうって思えるぐらいのやつ。
音質は最高
この機種最大のウリは音質。コレに関しては文句なし。
イコライザとか色々音を調整する機能はあります…が、僕はこれがどうも使いこなせないんですよ。
そういった人向けに「ClearAudio+」という音源に合わせて自動で最適な状態に調整してくれる機能があります。
これが非常に優秀。
体感ですが低音があまり主張しなくなり、かといって空気になるまで小さくならない絶妙なバランスになります。
逆にドゥンッドゥンッってDQNカーみたいな低音を楽しみたい方は自力の調整が必要になる感じ。
自力で調整する場合の機能も
・圧縮音源(mp3とか)をAIがハイレゾ並に補完する「DSEE HX」
・本当に細かいノイズを追加してレコード再生に近づける「バイナルプロセッサー」
といった機能があり、オーディオ上級者も音に際限なくこだわることができます。
Bluetooth対応でワイヤレスで音楽を楽しめる
Bluetooth対応なのでワイヤレスヘッドホンで再生が可能です。
NFC対応なので本体の背面にNFC接続部分を触らせれば繋がるので、接続もヒジョーに容易。
当然イヤホンジャックもあるので有線で繋げます。最近だとイヤホンジャックを廃したスマホも出てきましたしねぇ。
有線で最高の音質を目指すも、Bluetoothでカジュアルに聞くこともできます。
SDカードで容量が拡張できる
曲を入れまくって、本体容量が足りなくなった場合もmicroSDカードで容量を拡張できます。
SDカードも今って128GBも2,000円ぐらい出せば買えるんで容量もかなり拡張できます。
PCとスマホの音楽を高品質で聴ける
PCに繋いでPC内の音を高音質で聴けるヘッドホンアンプ(DAC)機能が設けられています。
ウォークマンに移すのが面倒でPCに入れた曲を聞く場合や、YoutubeやRadikoを流し聞きするなんて使い方もできます。
一応FMラジオ機能はついてるんですが、ネット回線を通すRadikoの方が圧倒的に高音質なのでラジオ聞くときはこの機能使ってます。
ただし、かなり遅延が発生するのでゲームや動画などには向きません。あくまで音楽専用ね。
PCだけでなく「Bluetoothレシーバー機能」で、スマホの音もウォークマンで高音質に変換したものを聞くことができます。
僕は「Amazon Music Unlimted」などの音楽聴き放題サービスを使ってますが、スマホで再生してウォークマンで高音質化したものを聞くことができます。
(ただしこれには後述する問題点も…)
ちなみにどちらも前述の神機能ClearAudio+対応。普段聴いてる音楽もより一層聞きごたえが出てきます。
スピーカー非搭載なのが良い
地味に最高だったのがスピーカーがついてないこと。
これがスマホとは別にプレイヤーを持つメリットだと思ってます。
電車とか乗ってるときに音楽を聴く時
もしかして本体スピーカーから音出てないか!?
って接続不良とかないかどうしても気になっちゃうんすよ。
帰りの電車で眠りながら
浦島坂田船を聴いていたら
突如として訪れる
Bluetoothイヤホンの接触不良
スマホのスピーカーから
放たれる大音量の
「 僕 に し て よ 」
飛び起きるわし
— まるぐり (@marugurit) June 24, 2018
僕も通勤中に録音した「洲崎西」を聞いてたら突如Bluetoothイヤホンの接続が切れて、スマホがミュートなのにスピーカーから
(西゚∀゚)アハハハハ八八ノヽノヽノヽ
って笑い声が大音量で電車内に流れたことがありました。
これで僕はシャープのスマホとエレコムのイヤホンが嫌いになりました。
電車とかで音楽聴くとき「スピーカーから再生されてやしないか?」って一度イヤホンを耳から外すって方もいるのではなかろうか。僕もそうなんだ。
気にしすぎかもしれないけど、スピーカーから音が出たら…って心理的に負担になってるので、その心配を完全になくせるのはデカいんですよ。
問題点
UIが悪い
最大の問題点はUI。特にプレイリスト関連。
クセがあったり使いにくいというわけではないのですが、かゆいところに手が届かないのです。
例えば「この曲とこの曲と、このアルバムの曲の中からいくつかプレイリストに入れよう」
とする場合、1つ追加する度に長い読み込みが入り、名前付きのプレイリストをいちいち選択しないといけない無駄に手間のかかる仕様。
普通に1回限りのプレイリストみたいなのあってもいいじゃんよ。
次に再生する曲を追加(再生キューへの追加)とか、好きな曲をまとめてチェックボックスで選択するというのも不可。
なんとプレイリスト内の曲並び替えすらできない。マジで使う人のこと考えて作ったんか?
このへんは「Poweramp」使ってるとかなり使い勝手が悪く感じます。
純正のソフトやドライバ、充電ケーブルが糞
純正で「Music Center for PC」ってソフトがありますが、表示される曲数が少ないので曲を探しにくいです。
ドラッグ&ドロップでプレイリストに楽曲追加できなかったり直感的にできると思った事ができなかったり使い勝手悪いです。
幸いにも「Music Bee」「foobar2000」などの完全上位互換となるソフトが使えるので、PCから曲を転送するときは別のソフトを使うと良いかと思われます。
こっちの方がスッキリしてて使いやすいです。プレイリストを使う場合、PCから予め作っておきましょう。
DACとして使おうとすると、公式が配布してるドライバをインストールする必要がありますが、日本語環境だと表示に不具合があり使用許諾規約に同意できません。
言語を英語にすると問題なくインストール可能。ちなみに英語でインストールしても表示される場面ないので使用にはまったく支障ありません。
ちなみに2019年9月現在、未だ不具合は治ってません。
データ転送や充電やケーブルも一般的なUSB-Cなどと違って専用のケーブルを使います。
断線したら買い直し必須。なぜこんな仕様にする必要があったのか。
Bluetooth機能が使えない場面がかなり多い
端末自体はBluetoothのヘッドホン対応ですが、Bluetoothヘッドホンが使えるのはウォークマンに入った音楽を聴く時のみ。
DACとして使う場合やBluetoothレシーバー機能、FMラジオを使う場合はステレオケーブルでの有線接続が必須になります。
ワイヤレスヘッドホンでPCの音楽聴こうとしてたので、使えないと知ってものすごくガックリきました。
総評
僕は札幌のヨドバシで買ったんですが、キャンペーンやってたり調子に乗ったソニーの営業が店に了解を取らず値引きしたりで1万7千円ぐらいで買えました。
音質は本来2万円近くする価格に見合うだけの価値はあり!
初心者でもClearAudio+で簡単にワンランク上の音を楽しめるデジタルオーディオプレーヤー入門としてオススメできます。
イコライザだけでなくDSEE HXといったいくらでも音質に際限なくこだわれるオプションがあり上級者への挑戦状的DAPでもあります。
じゃあ、このウォークマンがあれば最高の音楽を楽しめるかというとそうでもなくまず良いヘッドホンを買う方を優先したほうがいいです。
まぁいくらアンプがよかろうと音を出すスピーカー部分がしょぼいと本来の力発揮できませんからねぇ。
ちなみにハイレゾ対応ですが、正直「だからなんだよ」ってぐらい変わってる感じしません。
moraとか覗いて見たらハイレゾ音源ってMP3形式の倍の値段しますが、ぶっちゃけ倍の値段払うぐらいの差はないし容量も食うんですよね。
個人的には蓮花さんの透き通るような声や川村ゆみさんのアタックが強い曲だと違う…ように感じた程度。多分プラシーボだと思う。
あとSpotifyとかApple Musicとか音楽聴き放題サービスをメインに使う人には正直微妙です。
Bluetoothレシーバー機能を使っている間はワイヤレスで再生できないという致命的な不具合があります。
つまりどういうことか……PCで作業しながら音楽聴いたりする場合、デスクの上はこんな感じになります。
左のスマホで音楽を再生して真ん中のウォークマンにBluetoothで繋いで変換したものをヘッドホンに繋いで聴くとこんな感じ。ヒジョーに散らかります。
スマホ単体で再生するとなれば、音質犠牲になるけどウォークマンとステレオケーブルいらなくなるわけだし……
……と、多機能なわりに使う人のことをあまり考慮してないよなーと思わざるを得ない出来になっています。
でも前述の通り、値段に見合うだけのいい音を楽しめます。
通勤路や通学路で音楽を気軽に楽しむためのガジェット…そうではなく、
「音」にガチで向き合うガジェット
ヘッドホンをつけて、目を閉じて音楽に集中するということに楽しみを見いだせるならばとてもオススメできます。
ドラマCDや今流行のASMRとかDLsiteで買えるエロ音声をジックリ聴いたりするときに最高です。
「ASMR」ってなんぞ?という方にはたとえばこれ。ヘッドホンをして聴いてみましょう。
こういった音をウリにしたコンテンツを最高の音質で十倍近く楽しむことが出来ます。
僕はこうやって日常生活で使ってます
僕は作業中、ヘッドホンしてスマホを机にしまって、LINEの着信音とか聞こえないようにしてます。
音楽聴くときもスマホだと通知とか目に入っちゃって結果的に逸れちゃうんですよね。
あらかじめ20~40分ぐらいの作業用のプレイリストを作り、音楽の終わりが休憩の合図…というポモドーロ・テクニックに近い使い方をしてます。
こんな感じで集中して勉強したり作業にとりかかりたいという場合にオススメです。
本体だけではまともにプレイリスト作れないUIなのでPCからプレイリスト作るのですが、これがけっこう楽しい。
そしてもう1つ、自分だけの空間をより豪華にするために使ってます。
僕が好きなゲーム「最果てのイマ」の主人公は「携帯音楽プレイヤーは自分の部屋を持ち歩くようなもの」と表現していましたが、それがしっくりきます。
自室でヘッドホンで音楽を聴きながら一日を振り返ったり、本を読んだりするときジャズを聴いたり…
そんな自分の空間をより快適にするためのものだと思ってます。
この自分だけで誰にもジャマされない空間と時間があるだけでめちゃくちゃ精神的に余裕ができるのですよ。
……と使い方を書いたんですが、いずれも共通して
ほぼ家で使ってます
家で仕事するようになったってのもあるんですが、音に集中していられるのって自室ぐらいしかないんです。
持ち歩くときはコメダとか喫茶店で「ここを作業場所とする!」と決めて出かけるときぐらいしか使ってないです。
レシーバー機能はBluetooth使えないし、外歩いているときとかに使うならそれこそスマホで十分。
音楽、リラックス、作業に集中するためのガジェットとしては非常に優秀です。
この辺が多機能をウリにしてるiPod touchとは違うところ。
操作性悪く便利でもなければ気軽に使えるものでもないですが、あると生活がけっこう違ってくる……そういう意味では面白いガジェットです。
ちなみに僕はこのヘッドホン使ってます。同じソニー製でBluetoothとハイレゾ対応で非常に相性がよかった。
ノイズキャンセリングついてて、音楽再生せずに作業に集中するため外音を遮断するって使い方も出来るぐらいには超優秀。
ステレオケーブルを繋いで有線でも使えるので、SwitchとかBluetooth使えない状況でも使えます。
今新型が出た関係で型落ちして安くなってますが、↑の旧型でもかなりいい音出すのでオススメです。
ちなみに新型はこっち。
ヨドバシで比べてみましたが、ノイキャン性能はこっちの方が強いです。