ハロー、おかえり同志。
TwitterのDMより中国深センに拠点を構える『Wondershare Software』様より『Wondershare Dr.Fone』のレビュー依頼をいただきました。
執筆依頼に関する注意事項は拝見しました。問題ございません。製品を実際に使ったうえで、正直の感想をお書きいただいて大丈夫です。
対象製品:
②「Dr・Fone」:データの復元、消去、移行、バックアップ、画面ロック解除、システム修復、GPS変更など、スマホにまつわる各種ニーズを満たせるソフトウェア
【HP】https://drfone.wondershare.jp
お忙しいところ誠に恐縮ではございますが、ご検討のほど、何卒よろしくお願いいたします!
前々回の『Filmora』前回の『Recoverit』に続き3連続でWondershare様からレビューのご依頼を頂きまして、大変にありがたい話でございます。
動画製作、データ復元いずれも良い感じで高めの評価出しておりますので、正直今回も期待している面があります。
ただしNachaNetは僕と読者ファーストであり、いくら案件を貰おうが、いくら報酬を貰おうが評価を変えません。これ重要。
まぁ100万円とか貰えたら…ちょっと考えるんだけどさ。
『Dr.Fone』の概要
Foneという馴染みのない綴りですが、要は電話”phone”のことで、スマートフォンのユーティリティソフトです。
使える用途は、データの復元、移行、バックアップ、画面ロック解除、システム修復…などなど。
AndroidのRoot化などシステムをいじくるのが好きなので、文鎮化した時に復旧できるのであれば、システム修復機能は個人的にはありがたい。
※文鎮化…スマートフォンがまったく起動しない状態になること
2本連続でWondershareのソフトを使いましたが、日本法人を置いてるだけありヘンな日本語もないし、使いやすいしで高評価なんですよね。
なので今回も大丈夫でしょうと期待しながらレビューしていきます。
『Dr.Fone』を使ってみる
それでは使っていきましょう。インストールはこちらから。
[公式サイト]Wondershare Dr.Fone(ドクターフォン) – iOS & Android ユーザー向けのバックアップ復元ソフト
Filmoraと違ってVtuberは居ないようですが、動画が用意されていたので見てみます。
「Dr.Foneはデータリンボーからデータを救う復元ソフトです」
まるで意味がわからんぞ???
僕の知らないPC用語かと思って「データリンボー」で検索しても「LIMBO」っていうゲームしか出てきません…どうやらデータが消えたという意味らしい。
PVでは様々な理由でスマホのデータが消えた人達が出てきて、それを復旧できる…みたいな内容です。
でも日本語では使わない漢字が出てきたり、そもそもDr.Foneを使ってる場面も出てこないPVとしてかなり謎なものです。
チャンネル内の動画も115作品エントリーされた割に現時点で再生数72の「ぬりえコンテスト」が存在するなど…まぁ多くは語るめえ。
そんなわけでちょっと「ん?」とはなりましたが、使っていきましょう。
『Dr.Fone』を使ってみる
では使っていきましょう。
起動すると、このようにメニュー画面が表示されます。
右上のピカチュウとかモンスターボールみたいなのは大丈夫なんですかね…GPSのアイコンもなんかスゲーそれっぽいし…
なので一番気になったのがGPS変更機能ですが、これはiOS専用らしく現在Android端末しか手元にないので、今回はデバッグ用の端末を使用して「スマホ管理」機能を使います。
Dr.Fone自体はランチャーなようで、各機能を使う時には個別にダウンロードが開始されます。
※ランチャー…アプリケーションソフトをアイコンで一覧表示し、アイコンをクリックするだけで起動できるようにする機能のこと
起動時にUSBデバッグ機能をONにするよう求められます。
USBデバッグ機能を使うのって、スマートフォンを改造したり、アプリ開発したりする人ぐらいで普通の人はまず触ることがないです。
主に銀行系のアプリでよく見かけますが、USBデバッグがオンになっていると起動しないアプリも珍しくないです。
なにより、USBデバッグって特殊な手順を踏まないと解放されない“裏ワザ”的な隠し機能なので、これを使わせること自体が初心者にやさしくない…
手順を画像で記載したものが出てきますが、全部英語で、UIもAndroid標準のものではないようなので、この辺も不親切と言わざるを得ない。
で、無事にデバッグ機能をオンにして接続すると、機種名とストレージの使用容量が表示されます。
メニューが3つあるので順に解説していきましょう。
「デバイスメディアをiTunesに転送」というのはスマートフォン内の音楽などのデータとPCのiTunesと照合し、iTunesにない曲などがあればiTunesの保存先のフォルダにコピーしてくれます。
「iTunesメディアをデバイスに転送」は逆にiTunesの音楽ファイルなどをスマートフォンに転送することができます。
特徴的なのが、iTunesのプレイリストに入っている音楽だけを転送できます…というか使う上ではプレイリストが必須。
プレイリストに入れた音楽ファイルだけに絞って転送できるのはいいんですが、逆にプレイリストを使わない場合はiTunesのライブラリの曲をすべて転送することになります。
「デバイス写真をPCに転送」はスマートフォン内の写真全てをPC内の指定したフォルダに出力することができますが、選んで出力することができません。
次に、アプリ管理機能がなかなか優秀です。
画面上から「アプリ」を選ぶと、インストールされているアプリ一覧が表示されます。
Androidはアプリをまとめてアンインストールすることができず、一括で消すには「削除するためのアプリ」をインストールする必要がある二度手間仕様です。
加えて、ドコモやauなどキャリア独自のアプリが最初から入っていることがあり、これらは削除することができません。
しかし、Dr.Foneを使うことでチェックを入れたアプリを一括で消すことが出来ます。
さらに通常の方法では削除できないアプリも削除することができました。
キャリアが勝手に入れてくるアプリって、容量食うのに使う機会のない機能ばっかりで、そのくせ削除ができないというクソ仕様なことが大半です。
僕はドコモを使っていたので「しゃべってコンシェル」が入っており、トップ画面を歩き回るひつじのキャラがただ邪魔でしかなかった記憶があります。
今日は #クリーニングの日👕
秋服でおしゃれを楽しむ季節だけど、
衣替えの支度は済んだかな。
ご主人様はメイに手伝って欲しい❓お兄ちゃんに手伝って欲しい人は「💛いいね」
メイに手伝って欲しい人は「🔁RT」で教えてね🎵#ひつじのしつじ #メイドのメイ #mydaiz pic.twitter.com/nROqSF0eDP— my daiz/ひつじのしつじくん (@hshitsujikun) September 29, 2021
こいつの存在が一度でも役に立った人って、どれほどいるのでしょうね?
このひつじを消す設定も手順が面倒で、アプリ削除もできない困った代物でしたが、Dr.Foneを使えば消すことが出来ました。
気になった点
消せないアプリを削除できるのは本当に大きく、このためにroot権限をとらなくてもいいのはかなりの強みだと思います。
その一方で、他のWondershare製ソフトに見られなかった問題点がいくつか見受けられます。
まず、上のメニューから「音楽」もしくは「ビデオ」を押すとスマホ内に入っている音楽や動画がサーチされ、リストアップされます。
この機能を使うことで、ストレージの空き容量が少なくなってきたときに、どのファイルが特に容量を食っているかサイズを見て整理できます。
特に動画ファイルはサイズが大きいので、長さやサイズを見て削除対象を選べるこの機能は便利ですね。
これ自体は便利なのですが、動画ファイルのリストアップに問題があり、動画ファイルは長さが00:00としか表示されません。
致命的とは言わないまでも普通に問題のあるバグですね。
次に、ローカライズが致命的です。
前述の通り、解説の動画の日本語がヘンだったりUSBデバッグをオンに切り替える方法の解説が英語のみだった時点で察しましたが…
これがソフトを使い始めると、推測も難しいぐらい翻訳がぐちゃぐちゃになっています。
例えば、アプリのアンインストールを行っているときの画面がこれです。
「アンインス」から先が切れており、エラーが出て中断されたのか無事にアンインストールされたのか分かりません…一部データ残って正常にできなかったのかな?
実際は無事に消えていたのですが「アンインストールが完了しました」「アンインストールに失敗しました」とか、まったく正反対の意味が考えられます。
前述の主要機能といえるスマホとPC間のデータ転送も項目が直訳した感じでわかりにくいのも使っていて気になりました。
「デバイスメディアをiTunesに転送」「iTunesメディアをデバイスに転送」「デバイス写真をPCに転送」という3つの項目も一見しただけではわかりにくいですね…デバイスメディアって何だ?って。
もし僕がローカライズするのであれば、
・デバイスメディアをiTunesに転送→スマートフォンの音楽ファイルをiTunesと同期
・iTunesメディアをデバイスに転送→iTunesの音楽ファイルをスマートフォンに転送
・デバイス写真をPCに転送→スマートフォンの写真をPCに転送
こんな感じにしますね。
メニューの「情報」という項目はアドレス帳のようで、家族の電話番号などが表示されましたが、「情報」だけでは何を指しているのかピンと来る人はいないでしょう。
加えて、この「情報」からSMSのやりとりの履歴を見ようとしたのですが、このような画面が表示されます。
「スマホへの」で終わっており、続きの文章が表示されておりません。
「許可の方法?」というリンクがありますが、ここから開いた先のリンクに記載されているのはiPhoneの内容のみで、Androidについては一切記載がありません。
「新しいメッセージ」というボタンも文字が枠からはみ出ており、視認性こそ致命的ではないものの怪しさを感じさせてくれます。
総評
確かに機能は良いのですが、明らかに表示や日本語がおかしい部分が多数見受けられ、いくら海外産のソフトであっても看過できないレベルになっています。
漢字の間違いとか、ちょっと誤字脱字があるぐらいならいいんですけど、意味が分からないぐらいぐちゃぐちゃになっているのは致命的。
FilmoraとかRecoveritとか、他のWondershare製ソフトではこのようなことが無かったので戸惑ってます…日本法人は関わってないのかな?
仕様上しょうがないのかも知れませんが、USBデバッグをオンにする必要があったり、その手順も英語のみだったり不親切さは否めません。
USBデバッグって初心者にとっては難しい…というか怖いと感じると思いますよ。
というのも、デバッグをオンにするとき、この表示出ますからね。
「うっかり壊してしまったらどうしよう…」と考えてデバッグをオンにできないと思うんですよ。
そして価格ですが…正直高すぎ。
この機能で4,000円近くします。しかも買い切りではなく1年間限定。
[公式]Wondershare Dr.Fone ストア- Dr.Foneの各機能を購入
データ転送であればDr.Foneを使わずとも標準機能で問題無くできますし、邪魔なアプリをまとめて消すという機能も「消すのに3,980円を払うか?」というと「それなら我慢して使う」って考えると思うんですよ。
僕であれば「自力でコンソールとかいじくって消す」って興味本位で挑みますが、少なくとも買うという選択肢には至らない…
一応、他の機能もまとめて使える「suite」というのがありますが「画面ロック解除機能」は対応機種がGALAXYとLGの一部端末のみだったり、全体的にまだまだ発展途上といったところ…
僕の元愛機OnePlus 3Tで画面ロック解除機能を試そうとしましたが、中のデータごとロックをぶち壊すというストロングスタイルで使用を断念しました。
ただ、アプリを消して、容量食ってるファイルを見ることができるスマホ機能は本当に良いものでした。
ソフトの全体の完成度はまだまだアルファ版といったところで、現段階ではフリーソフトとしてリリースして、Wondershareって会社を知ってもらうきっかけにすればいいのでは?と思います。
フリーならローカライズの問題も、デバッグ機能ONが前提の機能も全部が許されますからね。
全ての機能が十分に使えるようになってから有償のソフトウェアとしてリリースすればいいだけですからね…Wondershareは他のソフトウェアが優秀なのだから、この段階で収益化を急ぐ必要はあるめえ。
※今回使用したバージョンは2021/10/10時点でのバージョンです。バージョンアップにより画面や各種機能は本記事掲載の内容と異なる可能性があります。最新情報はWondershare様のWebサイトにて確認をお願いいたします。
いじょ。