ハロー、おかえり同志。
TwitterのDMより中国深センに拠点を構える『Wondershare Software』様より『Wondershare DemoCreator』のレビュー依頼をいただきました。
4つ前に書いた『Filmora』の記事完成直後に同じ担当者様から新たに次のようなDMが届きましたよ。
こんなに素敵な記事を作成して頂き感謝しております。
ここで一つの提案を申し上げたいのですが、
弊社のもう一つの製品のレビュー記事もお願いしたいと存じます。
製品の公式ホームページ:https://dc.wondershare.jp
ゲーム実況の方々にとってかなり実用性の高い画面録画ソフトです。
Wondershare様から4つも、しかも複数の担当者からソフトレビュー依頼を頂けることに感謝しつつ、一切の贔屓レビューはしない…というスタンスは一っっ切曲げません。
1つ前にDr.Foneのレビュー記事を書きましたが、こちらは機能面はなかなかよかったんですが、少々翻訳や使い勝手がよろしくない部分があったので厳し目に評価をつけました。
↑の記事を執筆後、このレビュー記事で指摘した問題を開発に報告してくれると連絡いただきました。
「批判しないで良いところだけを見せろ!」みたいな依頼主がマジで多い中、ユーザーの意見として改善を検討してくれると返答して公開に応じてくれるのは本当に好感が持てます。
Wondershare製品の今後に期待…しつつも今回も僕と読者ファーストの忖度ナシのレビューしていきますよ!
『DemoCreator』の概要
依頼いただいたときのDMの中にもありましたが、DemoCreatorは画面録画ソフトです。
PCソフトなど操作方法の説明動画を作るときや、DMにも記載した通りPCゲームの録画にも使うことができるようです。
画面キャプチャソフトというと、既に定番のキャプチャソフトであるBandicamが競合にあるので、比較しながら使っていきたいと思います。
…ってか、Wondershareが公式にBandicamの使い方を自社サイトに掲載しております。
「初心者必見・最新」Bbandicam(無料版)を他のソフトとの比較
なのでWondershare側も競合ソフトのことをよく調査したうえで作っている…のだと思われます。
『DemoCreator』使ってみた
それでは使っていきましょう。インストールはこちらから。
誰でも簡単に使える画面録画&動画編集ソフト-Wondershare DemoCreator
特徴的なのがMac版があることですね。
「誰にでも簡単」「簡単録画」など簡単に録画ができることを売りにしているようです。
で、起動してみましたがPC画面の録画モードが3つに絞られており、UIを見る限り確かに簡単そうに見えます。
DMでゲーム実況の人向けとあったので、せっかくだから「溶鉄のマルフーシャ」をプレイしている画面を全てのモードを使っていきますよ。
PC画面とWebカメラ
まずは「PC画面とWebカメラ」を起動します。
起動すると撮影範囲を指定し、システム音声とマイクON/OFFの項目が表示され、「REC」を押すと録画が開始されます。
このときWebカメラがあれば顔などをワイプで映すことも可能です。
ワイプの大きさ、位置や枠は自由に変えられるのでプレゼンやオンライン授業の動画を作るときに顔を映す必要があるときに使えそうな機能ですね。
録画を停止すると、動画の編集画面に切り替わります。
このソフト、なんと動画編集機能(それもけっこう本格的なやつ)がついてくるのです。
字幕を入れたり、チャンネル登録を促す画面を出したりエフェクトを追加したり…こういった本格的な編集がこれ1本で完結させることができます。
Bandicamだと編集機能は動画の一部カットやロゴ追加ぐらいで、本格的な編集をするときには「Bandicut」という別のソフトが必要になります。
なので、正直これはかなりのアドバンテージになると思います。
また、3分以内であればライブラリの動画ファイルを右クリックして「高速エクスポート」を押すと…
なんと無料版でも瞬時に広告なしの動画が出力されます。
Twitterにゲームのリプレイなどを編集せずにちょっとあげるときなどにこれは便利です。
無料版だと録画時間が10分に制限されており、このようにかなり大きいロゴが表示されます。
PC画面のみ
次に「PC画面のみ」を選びます。
今度はアイコンのみのUIとなり、すぐに画面範囲の指定画面に移ります。カメラデバイスの指定はいらないようです。
文字が一切書かれていないので、何がどの機能なのか一見わからないのですが、実際の機能は↓の通りです。
まぁ、範囲指定して録画するというだけなのは変わりませんが、マイクに使用するデバイスの指定や音量確認などのオプションがありません。
基本的には「PC画面とWebカメラ」か、後述の「ゲームモード」でWebカメラオフにしてやればいいので、デバイスなどのチェックを省いて急いで録画する時には使い道があるかも。
ゲームモード
ゲームモードという名前からしてゲーム向けに特化しているように思えますが、これは最初の「PC画面とWebカメラ」とほとんど変わりません。
UIもそっくりですよね。
違いとしては、左の「ゲームモード」から録画するウィンドウを指定できること。
現在開いているプログラムが表示され、録画範囲が選んだウィンドウの範囲に自動調整されます。
録画が始まると、別のウィンドウに隠れている状態でも選択したウィンドウのみが録画されるので、見せられないファイルを開いているけど、映ってしまわないか心配…という場合に活用できます。
録画が終わると編集画面に移行するのは「PC画面とWebカメラ」と同じ。
評価点
まずは評価できるのがソフトを起動して数クリックで録画を開始できるシンプルさ。
範囲を決めて、カメラや録音デバイスを選んで録画ボタンを押すだけで録画ができます。
録音が終了直後に動画編集に移行しますが、この編集機能がオマケと呼べるようなものではなく本当に充実しています。
Webカメラを使って自分の顔をワイプ表示する場合も、ワイプは別レイヤで出力されるので必要に応じて動かすことができます。
次に動画編集機能がかなり本格的なこと。
他にも動画内に線を引いたり、エフェクトや字幕をつけたりチャンネル登録を促す画面を出したり…これをプリセットから引っ張ってくるだけでいいので、この辺も非常に手軽です。
無料で使える素材だけでもかなり充実しています。
使っていて思うのはeラーニングなどに使う動画を作るのにすごく向いているということ。
PowerPointなどで作ったスライドを流しながら録音して、必要に応じてワイプで講師の顔を出すだけでそれっぽくできるんですよね。こういう感じ。
完成度を高める場合は、途中のNG部分をあとから編集画面でカットしたり、字幕をつければより良い出来になります。
なので、Udemyにあるようなeラーニングの動画とか簡単に作れるようになっています。
使い方も公式がチュートリアル動画をたくさん出しているので、ちょっと詰まった場合でもYouTubeの検索バーに「DemoCreator」といれれば出てきます。
もし、リアルタイムで集まる必要が無くて、事前に映像を収録しておけばいい社内研修(派遣会社みたく不定期で来る登録者に見てもらう動画など)を収録したいという場合にはオススメできる出来です。
問題点
一方でゲーム実況など、ゲーム映像の収録となるとちょっと問題が目立ちます。
一番問題だなと思うのは、HDMIなどキャプチャボードに接続したゲーム機などの映像の録画ができないこと。
僕の場合Switchを繋いでYouTubeやTwitchでプレイ映像を垂れ流したり、Twitterにリプレイを投稿したりするのですが、そういったコンシューマのゲーム機などの映像は録画できません。
一応、Webカメラに使用するデバイスのところで指定して強引にできなくもないです。
でも音声はHDMI入力から拾えないようで、無音になります。
じゃあPCゲームならどうなんだと言いますと、設定できる項目が少ないです。
上記の画像が動画録画のオプション画面なのですが、マウスカーソルを非表示にできないんですよね。
「マウスを使うけどカーソル見せる必要ないよね」みたいなゲーム映像の場合、見ている側は煩わしいと感じる場合があります。
競合相手のBandicamを初めとして一般的なキャプチャソフトなら普通はある設定がないのです。
参考までに、僕が使ってる「Action!」というキャプチャソフトであればこのように設定ができます。
また、必ず開始前に3秒のカウントダウンが行われてから録画が開始されますが、これもよろしくない点。
こんな感じで録画開始時に画面全体にデカデカとカウントダウンが開始されます。
ゲームの場合はレアアイテムを取ったとか、決定的瞬間を撮ってTwitterで自慢するといった形で動画や画像で記録することがあります。
しかし必ずカウントダウンがはさまれるので、録画ボタンを押して3秒の間に画面が切り替わって撮り逃すこともあるわけです。
編集部分だけなら使い道はありますが、少なくともゲーム映像の録画という点については非常に使いづらいです。
総評
DemoCreatorを一通り使いましたが、他のキャプチャソフトと比較すると動画編集機能がかなり充実しています。
eラーニング動画を作るときに単に録画するだけではなく、動画編集もかなり使った動画を作る場合はオススメできます。
設定する項目も少なく参考になる動画も複数あるので、初心者が使っても問題無く使えることでしょう。
一方でゲーム録画の場合、設定はfpsと画質ぐらいしか設定ができずキャプチャボード非対応なのもあり使い道は薄いです。
Bandicamと比較した場合、単純に録画機能だけであればBandicamの方が使い勝手も機能も上回っていますが、動画編集機能がないので使用用途によって評価は変わるのかなと。
DemoCreatorの価格は下記の通り。
Bandicamは4,400円で、同じ永続ライセンスなことを考えると割高ですが、Bandicutとセットの場合6,690円になるので、編集機能コミとなればこちらの方がリーズナブルですね。
Bandicamと異なり、Mac版もあるので、もしMacユーザーならこれ1本でいいと思います。
また、Filmoraとのバンドル版があり、こちらは値引きが入っています。
冒頭に記事を貼りましたが、Filmoraは動画編集ソフトとしてとても優秀でした。
ノウハウがDemoCreatorの動画編集機能にも活かされているのだと思いますが、Filmoraが目的で、録画もちょっと使えたらいいな!って場合にはこちらも選択肢に入れてみてはどうでしょうか?
いじょ。