MiniTool Partition Wizard レビュー|2020年でもパーティション分けするPC民へ

ハロー、おかえり同志。

TwitterのDMより『ミニツール』というソフトメーカー様からレビュー依頼をいただきました。

弊社はパーティション管理、データ復元、バックアップなどのソフトウェアの研究開発を行っています。

今回、弊社のパーティション管理ソフトMiniTool Partition Wizardに関して、記事依頼のため、ご連絡差し上げました。

『パーティション管理ソフト』というとわかりにくいですが、要はハードディスクを管理するソフトですね。

歴史あるソフトウェア紹介サイト『窓の杜』にも取り上げられてましたから結構知名度高そうですね。

「MiniTool Partition Wizard」無料のパーティション管理ソフト – 窓の杜

パーティションとは(クリックで展開)

HDDハードディスクSSDソリッドステートドライブなど大容量ストレージに設ける論理的な区画のことを「パーティション」と呼びます。

「パーティション」という言葉自体は「仕切り」のことですな。こういうオフィスの一室を仕切るようなやつ。

1台のストレージの中で区分けすることで「C:ドライブ」「D:ドライブ」と、複数台のストレージに見せかける事ができます。

こんなイメージね。

なんでこんなことをするかというと、データ破損などHDDに障害が発生した場合に、障害が発生したドライブを初期化フォーマットすれば復旧できるので、被害を最小限にすることができるから。

例えばCドライブにOSのシステムデータ、それ以外のファイルをDドライブに保存してシステムデータに問題が生じた場合、Cドライブを初期化するだけで済みます。

ちょっと高度な使い方をするとなると、分けたドライブごとに別々のOS(古いゲーム用にXPとか、実験用にUbuntuとか)をインストールを入れて起動する…なんてこともできたり。

…と、なんだか便利そうに聞こえてきますが、あくまで複数あるように見せかけてあるだけであって、実際は1台のストレージ。

これが物理的に破損してしまった場合、せっかく分けたパーティションも全て破損してしまいます。

容量が大きくなると、区分け設定にも時間がかかるし、万が一操作を間違うとデータがすべて消えてしまうリスクもはらんでいます。

あと、この方法がなんで確立されたかというと、昔HDDの値段が高かったから。僕が中学の頃(ちょうどXP全盛期)は250GBのHDDで2万円近くしましたもの。

でも時代が進んだ2020年現在、6TBのHDDが1万円ぐらいで買えるぐらい安くなってます。

1TB だって4,000円チョイですから、面倒な設定してパーティション分けするぐらいなら新しいHDD買って取り付けた方が手っ取り早いです。

パーティションで分けたところでHDD本体の寿命でまるごと逝く確率の方が高いんだし、バックアップマジ大事。

ダウンロードはココからできます。

MiniTool Partition Wizard ダウンロード センター

HDD管理ソフトとしての評価

さっそく起動してみましたが、画面がでてきたとき「これWindows標準のUIそっくりだな…!」って思いました。

ディスクのベンチマークテストなど、ストレージに関する総合的なことができるようです。

地味に便利だと思ったのが、フォルダがどれぐらいのサイズを占めているかわかる点。

エクスプローラーだと個々のファイルサイズはわかってもフォルダのサイズはプロパティから開かないと測定できないのですよ。

この点、ストレージを圧迫し始めた頃にどのフォルダが一番サイズ食ってるか一目でわかるのはとても良い点です。

SSDのベンチマークやってみましたがこんな感じ。

順番にデータを読み込むことよりも、ランダムに読み書きするケースの方が多いのでランダムの方が参考になりそう。

もう6年ぐらい前のSSDだけど、それなりの数値を保ててます。ちなみにわりとブレるので基準値などはアテにならなかったりします。

ベンチマークがある反面、S.M.A.R.T.(HDDやSSDに内蔵されている自己診断機能のこと)情報がわからないのでかゆいところに手が届かなかったりします。

データ復旧をやってみる

ソフトのウリとしてデータ復元が可能であることが公式サイトに記載されていました。

データ復旧ソフトのイメージ画像にSSDを使うのはアカンでしょ…!って思いましたが、パーティション復元とデータ復元が可能とのこと。

SSDの復元が困難というちょっと専門的な話(クリックで展開)

HDDの場合はデータ削除の際に「使わないデータである」という情報を書き込み、新しいデータが入ってきたときに削除したデータに上書きするという処理がなされるので、データ削除直後など上書きされていない場合は復元が可能です。

SSDの場合は通電していたら自動的に使わないデータを整理して完全に削除してしまうので、復旧が理論上不可能になります。

軽いし小さいし頑丈だし…と良いことずくめなSSDが普及していますが、このあたりの理由が未だデータの保存先としてHDDが現役な理由だったりします。

詳しくはこちらを参照のこと

SSDにおいて削除したファイルの復元は可能か? | Bizコンパス -ITによるビジネス課題解決事例満載! 

それではどんなものかファイル復元を試みます。

引き続き読み込めなくなったカメラのSDカードがそのまま残っているのでこれを使います。

SDカードが読み込めなくなった後、データを全部消しているので普通にパソコンから開こうとしてもファイルは表示されなくなっています。

復旧操作をしていると、すぐに消されたデータがリストアップされてきました。

プレビューを見てみるとSDカード内に保存されていた画像が表示されました。

すげぇ、ちゃんと削除されてるのに。

画像を完全に復活させるにはプロ版の購入が必要ですが、無料版でも事前にデータの復旧ができるか確認ができるのはとても良いと思います。

総評

メーカー製PCやノートPCでストレージ増設ができず、でもUbentuとか別のOSを入れるにあたりパーティションを分ける必要があるといった場合には良いのではないかと思います。

有料と無料のプランについての違いはこんな感じです。

OSの移行やパーティション設定など、普通なら使わないニッチな機能揃いなので、どうしてもパーティション分けて複数のOSを入れたいという人なら有料プラン入っても良いのかなーという感じです。

データ復元には「プロアルティメット版」の購入が必要になるので、できれば個人でも使えるように1つ下のプロ版でも使用できる権限があればなーと思いました。

このソフト1つあれば全て事足りるというわけではないので、S.M.A.R.T.の確認など必要に応じて別なソフトも探す必要がありますね。

単純にストレージの状況を見たいのであればド定番のフリーソフト「CrystalDiskInfo」の方が細かい情報が見られたりします。

いじょ。