[労働審判体験記:12]第三回目の労働審判:決着

ハロー、おかえり同志。

このブログでは、会社を解雇されてから労働審判で決着までの実体験を書いています。

この記事では第三回目の労働審判の内容と決着までを記載しています。

すべての内容は下記記事から参照できます。

最後の労働審判前の状況

すでに解雇から8ヶ月が経過し、6月下旬に入った時期に第三回労働審判が開催されました。

それ以前と打って変わって、第二回労働審判が終了してから会社から反論や和解金交渉などはまったくありませんでした。

弁護士同士で交渉しようとしていたようですが、

弁護士さん「会社側は解決金ゼロベースで進めていたようで、会社から提示できる和解額が決まる気配がないですね」

とのことでした。

相手の弁護士も出張が重なるなど多忙で、なかなか連絡を取ることができなかったようで、結局会社からの意見は何も聞けなかったとのことでした。

「会社は100万円以上損害出るのに大丈夫なのか?」と相手の心配ができる程度には余裕が出来てました。

こちらとしては前回、労働審判委員会から「解雇無効」の判断が出ていて勝利が確定したようなもので、すごく気が楽です。

超余裕で裁判所にやってきました

以前であれば審判が開始される前は

「勝てるなぁ…会社は何を言ってくるんだろうなぁ…何度も読んでるけど資料にもっと目通しておいた方がよかったかなぁ」

…と、不安になる気持ちを

「いいや!解雇は不当なものだ!会社の主張の○○は△△という反論ができるから崩せる!弁護士さんだって二人とも優秀な人だ!勝てる!!」

といった根拠を持たせる形で自分を奮い立たせていました。

しかし、この時には

「よし!帰りはジュンク堂2階のカフェでケーキセット食べに行こう!!」

と、労働審判が終了した後のことを考えちゃう程度には緊張感ゼロです。

裁判所入口のエントランスで弁護士さんと待ち合わせ、僕が到着してから10分ほどで弁護士さんが到着しました。

弁護士さんに「本日もよろしくお願いします」と挨拶してると、ちょうど専務と部長が到着。

裁判所の入り口で気まずい空気になりますが、すでに勝利確定で僕の緊張や不安は皆無です。

以前だったら怖くて顔を背けましたが、この時ばかりは専務と部長を負けた奴を見るように舐めくさっていた目で見ていたと自覚しています。

一方で専務と部長は終始うなだれており、こちらに気づいたのか、顔を露骨にそらして目を合わせないように手荷物検査を受けていました。

弁護士さん(女)「あんな目を合わせないようにして、本当に会社に戻す雰囲気ではないですね…」

僕「まぁ戻るつもりは全然ないんでいいんですけどね(笑)」

特に追加の資料もないので控え室に行きます。

第三回労働審判が開始されました

最後の労働審判が開始されました…が、既に裁判長および審判委員からは考えが示されているので、双方の考えを個別に聞くだけです。

ここで新しく主張することとしては、審判および和解が1ヶ月延期されたことによる賃金1ヶ月分の解決金の増額

とはいえ前回、委員会から6ヶ月分の給与での和解という考えが示されています。

前回の提案を撤回し、増額の提案が受け入れられることはあまり期待できないということを弁護士さん2人から伝えられました。

なので、増額すればラッキーぐらいの考えでいました。

裁判長「すでに6ヶ月分の給与を支払うことで委員会としては考えを示していますが、いかがでしょうか?」

弁護士さん(男)「こちらとしては審判が1ヶ月伸びたことによる分の賃金を含めた解決金を提示します」

提示後、委員会で話し合うため、双方退室が退室します。

で、けっこう早めに話し合いが終わったようで数分後に双方入室します。

裁判長「それでは、前回から1ヶ月伸びていますので、7ヶ月分の給与と和解金を含めて150万円を支払うということでいかがでしょうか?」

なんと委員会はこちらが提示した案を受け入れました!20万円ほど上乗せに成功です!

すでに労働審判は限度である3回まで伸びています。会社側としては、もう先延ばしや反論ができないため、受け入れざるを得ません。

専務「…わかりました。この額での和解で問題ありません。この結果を労働局に提出する必要があるので、退職日は10月時点で大丈夫でしょうか?」

僕「はい。金額、退職日ともに問題ありません」

裁判長「それでは、本労働審判で、和解金150万円での和解成立とします。手続き費用は双方の負担とします。それでは第○○、○○号の労働審判を終了します」

これで和解が成立。

弁護士さんが振込先として指定する口座の通帳を相手の弁護士さんに提示しました。

ちなみに退職日がいつになるかという話になった場合は、必ず”解雇されたときの日付”にしておきましょう。

後述の次の記事に詳しく書きますが、もし退職日が和解日・審判日となった場合は、一度受給した雇用保険を返して、改めて受給する手間が発生してしまいます。

労働審判が終わりました

終了後は関係者のみ出入りできる待合室で弁護士さんと軽くお話をしました。

待合室は4人ぐらいが座れる個室がいくつか設けられており、隣の個室には少し遅れたタイミングで会社側も入っていました。

僕「本当にありがとうございました!解決金、上乗せできましたね…」

弁護士さん(男)「前回の段階で和解案を提示してますからね、委員会が考えを曲げる事って珍しいですよ!それにしても先延ばししなければ、支払う額が少なくて済んだのにね(笑)」

お礼や所感を述べた後、報酬の話になりました。

というのも今回の労働審判は僕と会社双方が申し立て、労働審判が2つになりました。

どういうことかというと、会社側が起こした労働審判については別件扱いなので費用が発生する場合があるのです。

会社側が起こした労働審判について、成功報酬20%から数%上乗せすることで依頼を受けるという形になっていました。

しかし詳細に状況を説明した資料を用意するなどといった形で協力していたため、なんと成功報酬の上乗せをナシにしてくれました!

すぐに反論の文章を作ったり、文書の見直しや確認など簡単な内容であればメールで済ませて直接面談する手間を省いたりなど、できることを最大限していたことが良かったようです。

一通りお礼や再就職したことや就職先のことなどを軽く話し、あとは弁護士さん2人で話があるとのことなので僕一人で待合室を出ました。

…この時、僕が出るタイミングで会社側も待合室から出てきたため、ばったり遭遇してしまいました。

軽く会釈しましたが、会釈を返してくれたのは相手の弁護士だけで専務と部長は無視どころかものすごい勢いで目をそらしました。

裁判所を出たら、大雨が降っていました。大雨も気にしないぐらいに気分がハイになった僕は行こうと決めていたジュンク堂2階のカフェまで一直線でした。