ハロー、親愛なる汝よ。
コロナウイルス流行で緊急事態宣言が出された小樽がどんな感じだったのかまとめの続きです。
前回はこっちね。
今回は小樽の象徴と言っても良いであろう「小樽運河」を回ってきたときの内容です。
観光で食ってる小樽で、観光客が一番集まる場所がどうなったとおもうね…?
小樽運河を昼と夜で見比べてみる
※写真は撮り下ろしです。サイトのガイドラインを満たしている限り無断転載OKです。
小樽の象徴と言っても過言じゃあないのが小樽運河。
国土交通省の「都市景観100選」にも選ばれるぐらいで、写真が使われているのを見たことがあるという人も多いでしょう。
道民ならば運河の写真が載ってるだけで「あ、これ小樽の商品なのね」ってわかるぐらいです。
道民がよく食べる運河焼肉のロースジンギスカンとかその代表例。
アニパの時、小樽運河を一望するだけで「あー小樽来たなー!」って感じがするぐらい小樽の象徴的な光景なんですよ。
そんときの写真がこれ。

9月といえど真夏日で良い天気。観光客とコスプレする人で賑わっています。
で、緊急事態宣言中の光景がこれ。


人いねえええええ!!!
地域住民らしき人は一組だけカップルがいましたが、ほとんどの人は一人で運河に来ていました。
ここまで誰も居ないのって初めてです。
通常なら「小樽運河クルーズ」って運河内を舟でまわるってイベントもあるので運河で舟が浮いてますが、当然休業中。

観光案内所前、暑すぎない程度で過ごしやすい気温です。

ツアー客の集合場所としてよく使われているようで、前来たときは中国語韓国語ばっかり聞こえてましたが、観光客は当然ゼロ。
夜になると河に反射するガス灯がとても綺麗です。

ただ僕はぼっちで来てるから、この感動を共有できる相手なんていないんだよねー…
まだ20時だっつーのに周りに人は誰も居ないし…
小樽ビール醸造所で出来たてビールを味わう
小樽運河を超えた先には石造りの倉庫を改築した飲食店が建ち並んでいます。
ラーメンからジンギスカンまで幅広く色々なモノを取り扱う『小樽運河食堂』や観光客向け価格の海鮮が味わえる要はぼった価格な『北海あぶりやき運河倉庫』など広めのお店が中心です。
しかしいずれもコロナウイルス流行の影響で休業中。
開いているのは安定の『びっくりドンキー』ぐらいでした。
こういった事情もあり、前回の記事に出てきた和牛ステーキを食べたのですが「小樽はビールがウマい」と聞いてたのでステーキ食った後に立ち寄ってみることに。
で、来たのが『小樽倉庫No.1』という本場ドイツビールが味わえるビアホールです。

旗が立っていることから営業している模様…ということで寄ってみました。
…さて、ここで重要なことを1つ。
僕ビール苦手です
僕が20歳になった時に飲んだアサヒ・スーパードライがスーパー不味くて飲めたもんじゃねえんですわ。
普通のビールよりアルコール度数が高いらしく、口に含んでもあるのは苦みだけで旨みが微塵も感じられない…
一番売れてるって言うのは「酔ってこの世の理不尽や悲しみを忘れたい」ってストロングゼロを飲む飲兵衛な人が多いからなのかい?
美味しんぼで山岡がドライビールについて「スプーンを舐めたような味」と表現をしていましたが、個人的にはこの表現がとてもしっくり来ます。
それから色々飲み比べて試したんですが、1本の例外を除き、どれも美味しいと感じることができずビール嫌いになりました。
じゃあなんでビアホール入ったんだっていうと、ビールを飲みながら他のお客さんの会話に聞き耳を立ててみたかったから。
今年終わっちゃいましたが、TOKYO-FMの『ピートのふしぎなガレージ』というラジオドラマで、人の会話に聞き耳を立てて雑学を学ぶシーンが毎回出てきました。
それに憧れて、雑学じゃなくてもいいから誰かの会話を聞いてみたくなったんですよ。
…場所がビアホールなんで、酒飲みながら会話を聞くというのはアトラスの『キャサリン』ってゲームに近いかもしれません…
加えて去年に来たときに小樽ビールの小瓶を買って、家で一度飲んでいるのです。
これが唯一の例外で美味しく飲めました。今回ももしかしたら大丈夫かも…という期待があります。
そんな感じで、20時頃だし少なくても誰か居るだろうと思って入ってみましたが…

人いねえええええ!!!
日曜日とはいえ、時間は20時で誰かいるかと思ってたんですが酒飲んでる人誰もいねえ。
居るのはスタッフ2人と、店内にあるピアノでビートルズの曲を練習している外国人のお兄さんの3人だけでした。
…じゃあ僕は何のために来たのだ…?
誰の話も聞けず、ぼっちだから酒飲みながら会話も楽しむ相手もおらず、500円払って苦手なビールを飲む…
キツすぎる罰ゲームか
しかしここはビールが特にウマいしと聞くし、実際飲み切れたこともあるので、もしかしたらビール苦手を克服できるかもしれない。
なにせ僕が飲んだ缶ビールとはワケが違う。
なぜならこの店はビールの醸造所の一角にあるのです。
店の中心、特にカウンター席の目の前には現役で動いてる仕込み釜が見えます。

ここで醸造から瓶詰めまで全ての工程が行われており、新鮮な状態で飲めるのは間違いないのです。
こんな最高の状態で作られたビール、これがダメならば僕はどんなビールも飲めないであろう。
「静かなバーでの最初の静かな一杯、こんなすばらしい一杯はない」
…なんてフィリップ・マーロウの有名なセリフを思い出しながら、店の雰囲気で味わってみることにしました。
頼んだのはWeiss。

Pilsner、Dunkelと他の種類もあったのですが、ピルスナーは飲んだことあるのと「さっぱりとした飲み口」という紹介文からヴァイスを選びました。
ぬるくなってマズくならない内に口に含んでみましたが、
果実感さが強くて美味しい
「ビールは口に含まずのどごしを味わうもの」と聞いていたのですが、甘さのないジュースを飲んでいるようです。
加えて炭酸も強く感じないのと、味わいがスッキリしていることもありスイスイ飲めてしまいました。
あんだけビール嫌いだったのに、この一杯で世界が変わりました。
そうしてビール飲みながら誰も居ない店の雰囲気を楽しんでいると、ピアノを弾いていた外国人のお兄さんが
「うるさかったらゴメンナサイ!ピアノ弾いていいですか?」
って聞いてきたので快くOKしたところ、イマジン弾いてくれました。
練習中なのか、ところどころ弾き直してたけど素晴らしい演奏でした。
…こんな交流、普段家に籠もってばかりで、自分から話しかけることのない普段の僕ならそうそうないよな…
夜のビアホールでは、美味しいビールと一期一会な交流を最高に楽しむことができました。
拍手を送る店員と僕、他に聞く人は居ません。
演奏を終えて、外人の兄さんが退店したので僕も会計して店を出てホテルに向かいます。
ホテルへの帰路、路上でずっとニコニコ笑いながら歩いてることが自分でもわかるぐらいには大満足でした。変質者かよ。

…もう今日の夜は変質者に見られてもいいよ。どうせ誰も道歩いてないんだし。
そういうわけで小樽を最高に楽しむことができました。
いじょ。