ハロー、おかえり同志。
今回はサッポロビールの「SORACHI 1984」を飲みました。
「ビールを飲むのではない。ソラチを飲むのだ」
公式サイトではこのようなキャッチコピーが掲載されております。
…が、北海道民からしたら「ソラチ」とカタカナ表記だと焼き肉のタレとか調味料メーカーの方しかでてこないんですよね。
なに?ソラチを飲むって「ジンギスカンのタレとか飲んじゃうの?」って。
で、このビールの特徴は缶にも堂々と書いてあるのですが「ソラチエース」という上富良野産のホップを使っていることです。
ソラチエースは、1984年に北海道空知郡上富良野町でサッポロビールが開発し、アメリカにわたって脚光を浴びた、日本が世界に誇れる「伝説のホップ」です。本商品では、アメリカ産に加え、オリジナルの上富良野産ソラチエースも一部使用し、「凛としてして、香り立つ」ゴールデンエールに仕上げました。
このとおり40年近く前に出たホップではありますが、当時はスーパードライが発売され、今日まで覇権を握り続けるぐらいの人気です。
方向性が異なるドライビールの方が注目されていたわけで、薫りにクセのあるソラチエースを使ったビールは売れる見込みがないため注目されることはありませんでした。
時は流れ2000年代後半、アメリカのブルックリンブルワリーがこのホップを使ってビールを作ったところ人気商品となり、日本に逆輸入される形で販売されることになります。
そしてこのビールが販売されたことをきっかけに、サッポロビールも自社でソラチエースを使ったビール販売にこぎつけることとなったわけですな。
ビールの概要
・原産国:日本
・アルコール度数:5.5%
・原材料: 麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ
※ソラチエースホップ100%使用(米国産使用、上富良野産一部使用)
ソラチと名が付くからには全て空知とか国産なのかなと思ったのですが、上記の通り最近になって注目された品種です。
それゆえ、まだ国内では生産量が少なく現段階では大部分をアメリカ産ホップの使用割合が多い模様。
飲んでみた
色合いは日本では一般的な黄色い見た目です。
しかし薫りは明らかに他のビールと違って、アロマオイルのような爽やかさがあります。
口に含んだ瞬間にも、初心者でも気づける程度に他のビールとは一線を画する違和感があります。
…なんだかハーブティー飲んだような味わい…
レモングラスみたいな薫りと味でハーブ感が強く、非常にスッキリしてるからグイグイいけます。
苦みも感じられはするけど強くないので、まだ苦みやビールの味に苦手意識がある人は何か食べながらだと良いかと思います。
逆に抵抗は一切無く、ちょっと飲み慣れた程度以上の人ならじっくり他とはまったく違うビールを味わうことができるでしょう。
この日はカレー食べながら飲みました。
カレーとハーブって相性いいですねぇ…良い感じに辛さをリセットできます。
ゴルゴンゾーラを溶かしたカレーを流し込むように飲んだときのスッキリ感がたまりません。
まだビールに苦手意識がある方でも、濃い食べ物といっしょに飲むとビールの嫌な味が消えてのどごしとハーブのスッキリ感を楽しめるから、初心者にもけっこう勧められます。
オススメ度:★★★★★
品種登録から30年近く経過して、ようやっと日の目を見ることになったソラチエース。
このハーブのような味はこれはこれで美味しいのですが、シェアの高いスーパードライ等と比べると独特なので、定番となるには時間がかかりそうです。
ただ売上No.1だったスーパードライのシェアがだんだんと下がっているようで、日本人好みの味に変化が訪れているのかもしれません。
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ここを突けば、もしかしたら定番ビールとなって居酒屋にも置かれることになる…かも?
ところでキャッチコピーに「このビールは世界を変えるかもしれない」とあります。
他のビールとは大きく異なる個性で美味しいのですが、いかんせん宣伝がマジで下手くそ。
YouTube見たら歴然で、気合いの入った宣伝動画がありますが…
その再生数は2021/08/12時点でわずか586再生。
その一方でゴールドスターは165万回を超えております。
おいしさを解説する長ったらしい動画を複数用意するわりに、視覚に訴えてくるものが全くないのです。
これじゃ世界どころか礼文島程度の規模すら変えられませんて…知名度が圧倒的に足りません。
モノがいいし、定番になれば北海道産ホップが市場を席巻するわけで、道民としては旋風を巻き起こしてほしいなーと思うんで…
広報の方マジでなんとかしてください。
いじょ。