緊張しすぎる場合の対処法を二輪免許の教習から学んだのでまとめてみた

原付乗ってキャンプに行くというのには寒すぎる時期になってきました。『なー』です。

地震が起きる前にこんな記事を書いてました。

小型二輪AT限定の教習をどんなものかと受けてみた

小型二輪免許の教習がどんな感じだったかの記録ですね。

教習とはいえ、ミスが目立つと教習が追加されて追加料金(5,000円ぐらい)がかかるので、かなり緊張します。

そこで今回は、教習第二段階以降の内容と緊張の解消の方法を書いていきます。

特に難しい要素はなかった第二段階

教習第二段階は…はっきり言って大したことはないです。

S字カーブ、クランク、一本橋、一時停止、坂道発進…という第一段階の内容に「急制動」が追加されただけ。

急制動とは、直線で30km(普通二輪なら40km)出して、白線で急ブレーキをかけて、白線から9m内で停車させることです。

30km切ると計り直しになるので、気持ち(35kmぐらい)早く白線に入ってから、0.5秒ぐらいかけて両方のブレーキを握れば簡単です(ATの場合)。

…それが追加されただけで、あとは

・二人乗りを体験(教官の後ろに乗る)
・車から見たバイクの動きを見る(何キロで走ってくるか予想)

といった自分が運転しない(とはいえものすごく重要)内容があるぐらいです。二人乗りは正直けっこう怖かった。

そしてコレが終わると、第二段階の見極め(試験に臨んでもよいか教官が判断する)や、実技試験が目の前に控えています。

見極めに失敗して講習が追加されても、試験に落ちても1万ぐらい追加費用がとられます。なのでとてもプレッシャーがかかります。

でも小型二輪(それもAT)の教習は本当は簡単なものなのです。

そのくせ一本橋やクランクで何度も失敗するのは、過度に緊張することによる心理的な要因というのが僕の結論です。

そこで、どうにか緊張しないようにする方法はないものか…とこんな書籍を買いました。

これを元に僕がやった緊張対策を書いていきます。

呼吸を整える

「ジョジョの奇妙な冒険」にはツェペリさんが発したこのような名言があります。

「勇気」とは「怖さ」を知ることッ!恐怖を我が物とすることじゃあッ!呼吸をみだすのは「恐怖」!だが「恐怖」を支配した時!呼吸は規則正しくみだれないッ!波紋法の呼吸は「勇気」の産物!!

ジョジョのカラー版は電子書籍で出てます。読んだことがないという方は是非。

実際に呼吸が乱れる(呼吸が速くなる)と交感神経が優位になり心拍数が上がり、身体がこわばるようになります。

以前ブログで紹介したMiband2を教習中も身につけており、心拍数を計りました。

Mi Band2を1年間使ったので、自己管理能力を鍛えたい人向けに感想を語ってみた

僕の心拍数は正常時で60~70ぐらいです。

しかし、クランクを通って一本橋に挑む時、失敗の恐怖から過呼吸状態になっており、心拍数はなんと134にまで急上昇していました。

これは、ランニングで息が上がり始めた時並の数値です。バイクに乗って30分経たずして倍近くまで上昇しています。

そこで僕は緊張を紛らわせるために自分の状況を小声で実況することにしました。

「さぁクランクに入った、外側を走って次に曲がる角を見る!難なく最初の曲がりはクリア!速度は安定しているッ!しっかりと前を見ろ!しっかりと曲がる先を見ろよ!ちゃんと見ろよ!」

と、ブツブツ口に出してクランクに挑みます。エンジン音で声が周りに聞こえることはありませんが、ちょっと不審者っぽいです。

でもこれが功を奏します。

小声ということは呼吸も必然的にゆっくりになります。そして自分の状況を冷静に、客観的に見ることができます。

あんだけ上昇した心拍数は110台まで下がり、コースから落ちることがなくなりました。

苦手意識から教習前の段階で緊張してしまう場合、教習前に深呼吸しておくことも大切です。

緊張を解消するための正しい深呼吸の方法ですが、

1.息を吐ききる
2.5秒で息を吸う
3.25秒かけて息を吐く
4.さらに5秒かけて肺の空気をすべて…1cc残らずしぼり出す

これを可能な限り繰り返します。最初のうちはけっこう息苦しくなります。

「息を吐く時間>吸う時間」となると副交感神経が優位になり、リラックスした状態になります。間違ってもスーハースーハー高速で深呼吸しないように。



自分にとっての儀式を行う

これは一本橋など、いったん止まる場合に限られます。

一本橋にのぼる前には一度停止する必要があるのです。僕は一本橋の手前で停車している時、毎回

・5本の指先を合わせるポーズを取る
・息を吐ききってから一気に吸って、ゆっくりと吐く。

ということをしていました。普段から考え事をするときなどに自然と手を合わせるクセがあったりします。

ポーズ自体はシャーロキアン(シャーロック・ホームズのファン)がよくやるやつですね。

でも僕はどっちかというとチャンドリアン(レイモンド・チャンドラーのファン)です。

教官からは奇異な目で見られましたが、この一連の儀式をやってから挑むと必ず成功しました。

樺沢紫苑先生曰く…

ルーチンワークを取り入れることにより「失敗したらどうしよう」といった余計な考えが入る余裕がなくなり、結果的にリラックスできるようになる。

とのこと。確かに「一旦ポーズとって落ち着こう」ということを考えるようになるので、緊張が少しほぐれます。

ただし教官からは奇異な目で見られます。大事なことなので二回言いました。

なにもしない場合は橋に上がれなかったり、速度を保てず減速しすぎて橋から落ちる形で失敗することが慣れていてもありました。

少し落ち着ける余裕があると、かなーり違いますよ。

イメージトレーニングする

教習を終えて家に帰った後、自分の部屋で椅子に座りながら、目を閉じて検定のコースをスタートから発着点まで戻るまでを想像しました。

カーブなどに差し掛かったら、軽く体を傾けてイメージをより強く思い浮かべる…というか自然と身体が傾いたりしてました。

すると苦手とするクランクや一本橋に来ると、途端に緊張し始めました。イメージ上なのに。

心拍数測ってましたが、121まで上がっていました。自分の部屋で座って想像してるだけなのにこんな上がるもんなんだね…

目線はしっかり進行方向を向いた状態で走ることを意識して、イメージ上で完璧な状態でクリアします。

これを3回繰り返しました。

そして翌日に教習がありましたが、イメージトレーニング前と比較して、緊張でガチガチになることが無くなり、合格まで1つもミスしなくなりました。

…と、すげー効果を実感したのですが、イメージトレーニングの効果は主にスポーツについて研究している団体が証明しています。

不安や恐怖などの感情を司る脳の扁桃体は「実際の記憶」と「イメージした記憶」の区別がつかないとされています。

これは扁桃体が不安や恐怖の信号を出すべきかどうか、記憶との照合をするのですが、判断時間は約0.002秒。短すぎて細かい照合ができないのです。

この点に関して言えば、マインドシーカーでエスパーキヨタが言っていたことは本当なんです。

格ゲーマー的には1F=約0.015秒というとどれだけ早いか想像できるでしょうか?見極められたら小足見てから昇竜だって余裕です。

注意して欲しいのは成功する光景だけを想像すること。成功体験を脳内で積み上げることが大切なので、失敗するイメージを思い浮かべてはいけません。

一度コースを実際に走っていれば、実際のコースと同じ映像を想像するのは容易です。

学校の試験などと違って教習所以外で実車を使っての練習はできませんが、イメージトレーニングなら場所を問わず可能ですしね。

うまくいく光景をイメージできない場合はYoutubeにお手本となる動画がたくさん上がっているのでそれを見てから挑むとよいかと。

と、この3つの方法で緊張をかなり和らげることができました。

結果として特に教習が追加になることなく終わり、前述の通り特筆することなくアッサリ合格することができました。

ただ…試験中含めて毎回、一本橋に挑むときホームズのポーズをとって深呼吸するという儀式をやっていたためか、

職員の間で

「五郎丸ポーズの子」

と覚えられていたのがけっこう複雑です。

いや、僕がやってたのはホームズのポーズだから!

気功砲と覚えられなかっただけマシ?

ちなみに五郎丸ポーズも本番前に行うべきルーチンとしては「失敗したらどうしよう」と心配する余裕がなくなるため脳科学的には正解らしいです。